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 A.最近の論文
 (PDFファイルをダウンロードできます)  


  - 名執基樹:システムとしての文学 
      ―複雑論的転回:ドイツ作家シーンの調査結果をもとに―
 
         富山大学杉谷キャンパス一般教育 研究紀要 第41号(2013),35-88.
         (
PDF) 

     
ここに出てくる多重参照(multireference)の概念は,社会システム論における
     自己言及性(selfreference)という捉え方を批判し,共参照(synreference)の
     概念を提案したドイツのP.Hejl(ヘイル)の構成主義的社会システム論を引き
     継いだものです。

        
 文学のような文化現象は,認知現象でありかつ集団現象であるという
         二駆動因的な性質を持っています。


     この論文は,調査結果をもとに,そうしたフィズィカルな動態について概観を与
     えつつ,80-90年代のS.J.Schmidt(シュミット)の文学システム論を新しい観点で
     組み立てなおそうと試みたものです。


         
データの整理も含め,8年近く続いた仕事のまとめです。

  -
名執基樹:オートポイエシス論は文学テクストの夢を見るか?
      ―ドイツ文学システム論争を超えて―

         日本独文学会北陸支部 ドイツ語文化圏研究 第9号(2011),51-91.
         (印刷前原稿版:PDF

    
 1980-90年代のドイツの文学システム論争について整理したものです。
     日本では馴染みがない研究動向のことですので,限られた枚数の中でどう
     書いたものか,苦労しました。分かりにくい点もあるかと思います。
     概観をつかむ上で役立てていただけたら嬉しいです。


  -
名執基樹:語りの語りと認識の認識  ―語りの認知構成論による
      R.M.リルケの『放蕩息子の伝説』の読解分析―

         金沢大学独文学研究会 独文研究室報 第21号(2011),33-48.
         (PDF) 


     リルケの創作ディレンマの構図の分析は学生時代のテーマでした。
     それをリルケ本人のディスクールとは別の観点で分析的に眺めてみたいと
     思っていました。わたしにしては珍しい,テクスト分析的な論文です。
 


B.ギャラリー
(分析用に作成した画像の中から)
     ・調査中のもの,論文に載せられなかったものです。
      ビジュアル的に印象深いものを選びました。
      分析途中の不完全なものもありますので,転載等はご遠慮下さい。

(1) 2003/06年の文学シーン(ドイツ)。作家/出版社関係のネットワーク

 

*青色はズーアカンプ(Suhrkamp)社などドイツのハイカルチャー系の
 出版社とその作家。
 赤色はリュッベ(Lu"bbe)社などポピュラーカルチャー系。
 黄色はその中間。緑ほかはマージナルな文芸出版シーン。


(2) 2003/06年の文学シーン(部分拡大)

 



(3) 作家/出版社関係の二部グラフ(規模順)

 

*左側が出版社,右側が作家。作品タイトル(流通しているもの)が多いものほど上位。
 作家,出版社ともランクと規模の関係はpower law(ベキ則)に従う。
 しかし,上位ランクの出版社や作家が相手側の下位の部分に関わる流動性を持つ。
 生態系内のシステム・環境関係の二部グラフ(J. Bascompte and P Jordano 2007)
 に似た柔軟な関係性が見られます。
 ((1)のネットワーク図を並び替えたもの。)

 > (参考文献) J.Bascompte and P. Jordano 2007:
  Plant-Animal Mutualistic Networks: The Archtecture of Biodiversity,
  in: Annu. Rev. Ecol. Evol. Sys. 2007. 38: 567-593.


(4) シーン成長のゆらぎ(2部グラフで)

 

*2003年-2006年間のシーン規模の変化(成長比率の対数)を縦軸に取ったもの。
 一定の規模に達すると成長率のゆらぎの幅は縮小化します(中央部)。

(5) 作家/出版社関係の二部グラフ(モジュール別)

 

*先の(2)の2部グラフを(1)の図で観察した分野(モジュール)別に整理。
 (一番上の青色がハイカルチャー系,2番目がポップカルチャー系・・・)
 ここでは規模順ではなく,分野別に分けた後に,成長率(先の(4))に基づ
 いた順番で出版社,作家を並べている。
 

(6) 成長率とサイズ

 

*横に2003年次規模のランク(順位),縦にそこからの成長率(2006年の規模÷
  2003年の規模)を取っている(それぞれ対数尺度)。
  先の(4)で示したように,規模ランク下位では成長のゆらぎは大きく,
  上位になると中央にゆれはまとまる(規模×一定のゆらぎの成長率)。
  分野としてはシステムのコアとなるハイカルチャー系(青色),
  ポピュラーカルチャー系(赤色)のものが上位では顕著となってゆく。

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